- 2018年12月17日
- 近畿地方の結婚式事情
兵庫県北部から、京都府北部
私の住んでいる地域は、北近畿と呼ばれる地域です。
兵庫県北部から、京都府北部が、このような名称でまとめられ、風習が似ているようです。
近所の人のお菓子を配る風習
結婚式のしきたりとして面白いものといえば、近所の人に「お嫁さんのお菓子」というお菓子を配る風習があります。
これは、「寿」と書かれた袋の中に、昆布や金平糖などのお祝いごとに使われるお菓子が入っています。
源氏パイ、チョコパイ、おにぎりせんべいの小袋などがバラで入っており、お菓子が大体少ないもので8種類、普通で10種類、それ以上の時もあります。
一袋は大体500円前後から販売されていて、袋に入れるお菓子の数でお値段は高くなります。
最近では、「結婚しました。今までありがとうございました。これからも二人をよろしくお願いします。」といったメッセージカードが入れられていることもあります。
そもそもの始まり
昔は花嫁さんというと、祝言をあげるために、自分の家で花嫁衣装に身支度をしてから、相手の家までいかれました。
それで、お世話になった近所の人たちに見送られて、新しいおうちへ出発する、という形です。
お嫁さんのお菓子(嫁菓子)は、その見送りに来てくれた人たちに配るお菓子です。
お世話になりました、という意味が込められています。
私が小さい頃(もう30歳手前ですが)は、まだ花嫁さんが自宅から相手の家へ行かれる、という風習が残っていて、実際にもらった記憶があります。
でも今は、私もそうでしたが、式場や別の場所で身支度をして、挙式をしたり、披露宴をしますよね。
だからそのような光景はもう見ていません。
なので、今では地域の人に「お菓子を配る」という形だけが残っています。
男性が奥さんをもらう時にみんなに報告する
このお菓子を配るのは、本来の、花嫁さんの見送り(娘の送り出し)に使われるのではなく、どちらかというと、男性が奥さんをもらう時にみんなに報告する、ということで配られることが多いです。
これは、今でも自営業とかサラリーマンとか関係なく、「家を守る」「跡を継ぐ」という意識が根強く残っている田舎の地域なので、
「我が家の跡取りが無事に結婚相手を見つけました。若夫婦をこれからもみなさんよろしくお願いします」という意味がこもっています。
お菓子は、地域の人たちや、お祝いを持ってこられた方にお渡しします。
このような風習は、昔は他の地域でもあったようです。
京都にいたとき、他の地域の出身の年配の方で知っておられる方がいました。
でも、「今はそんなこともうしないねぇ」と仰っていたので、お菓子自体が残っているのは、北近畿と、数か所だけみたいです。