山形県の結婚式

結納の儀について

もともと、独特の結納品や飾りがある地域ではありません。
近年は結納をきちんと実施される方も少なくなりました。

しかし、酒田市はもともと湊町として、鶴岡市は城下町として栄えていた歴史からか、料亭や寿司屋等の高級感のある飲食店が町の規模からすると多いため、結納とまでかしこまらずとも、両家顔合わせを高級店で行うケースが多いようです。

結婚式披露宴について

庄内地方の結婚披露宴でもっとも特徴的な点は、ゲストから二人への記念品贈呈の時間が設けられることです。
結婚祝いの品を、目録等ではなく当日披露宴に持参して二人に手渡しをします。
家具や家電の場合も、購入店で『結婚式の記念品で』と言えば空箱に熨斗をつけたものを用意してもらえるので、それを渡します。

結婚式披露宴に招待するゲストや、人数は?

近年は親族と親しい友人のみで合計50人~100人程度の披露宴が多いようです。
伝統的には、同じ集落の人たちもお招きする風習があります。自分が最近経験したなかで最大の披露宴は300人程度でした。しかしそれは大変稀な例です。

結婚式にかかる費用について

後述しますが、庄内地方はご祝儀が会費制の地域です。そのため、費用も抑え気味になっています。
料理単価が1万円程度、飲み物がフリードリンク2000円程度、引き出物が3000~5000円程度です。
支払いは両家でそれぞれ招いた人数で折半というパターンが多いようです。

ご祝儀について

庄内地方は目上の招待客や親族以外は、御祝儀ではなく会費制でお招きします。
だいたい1万円~1万5000円程度です。招待状をお出しするときに会費制であることをお伝えします。
ただし、他の地区の会費制と違い、会費の時でも御祝儀袋に入れて受付でお渡しします。

引き出物の内容や数について

いまはメインの引出物+引菓子というかたちが多いようです。引出物の内容は相手(会費制か、御祝儀を頂いた相手か)によって送り分けます。
一部の年配の方では未だに『カサが大きい引出物ではないと失礼に当たる』という考えも残り、その場合は大きな鍋や毛布を引出物に選ぶようです。

二次会について

親が主催する親族・近所の人向けの二次会と、本人たちが参加する友人だけでの二次会のふたつが行われる場合が多いようです。
前者は自宅で行われることが多く、後者はカジュアルな居酒屋や結婚式場の別会場で行います。ただの飲み会同然か、企画等を行うかも人によってさまざまです。

結婚式後の風習について

いまは新婚家庭がすぐに同居を始めることが少なくなったので、結婚式後になにかを行うということもあまり無いようです。
余談ではありますが、結婚後2、3年してからの同居が多いように見受けられます。こどもが保育園や幼稚園になることを契機に同居を始めるようです。

その他、地域独特の儀式やしきたり

よめだよめだという、嫁入りのときに新郎宅へ行くときに近所を練り歩く風習があります。その時に、婚家が飴や五円硬貨を見に来た人たちに配ります。
これも近年は行う人が少なくなりました。
全体的にはあまり派手にしない地域です。嫁入り道具などにも特には決まった品があるわけではありません。