- 2015年04月08日
- 九州地方の結婚式事情
結納の儀について
熊本県の結納では通常の結納品(水引で出来た一般的なもの)に加え、新郎と両親が新婦の実家に酒1本と鯛一匹(一生=一升、一代=一鯛の意味)持参する「壽美樽(すみだる)」風習があります。
特に男性が県外に住んでいる場合は、結婚への自覚を促すと言う目的でこの儀式が行われることもあるそうです。
しかし近年ではこの風習を行っている家庭はさほど多くなく、会食と現金で済ませる場合が多くなっています。
結婚式披露宴について
ホテルウェディングについては、関東関西と特に変わりはありません。
1980年代以降、一般化したのでそれ以前は各地方の仕出し屋、会館、あるいは自宅の座敷などで行われていましたが、全国的に平均な披露宴の進行スタイルは温泉の多い熊本県の田舎にあ感観光旅館などにも浸透しています。
結婚式披露宴に招待するゲストや、人数は?
近年全国的に少人数の結婚披露宴が多くなっている傾向がありますが、熊本県でもその傾向は高いです。
逆に出身校(熊本で出身校といえば高校)などのネットワークや職場での人間関係が濃い傾向のある熊本県では、普通の社会的地位の人でも招待客がかなり多い人も多く、県外に住んでいると県外+熊本県内と2回披露宴を行う人もいます。
熊本市内には藤崎八幡宮の例大祭というにぎやかなお祭りに本気で入れ込んでいる人が少なからずいて、その関係で披露宴でお祭り囃子の余興が行われることもよくあります。
結婚式にかかる費用について
熊本県の結婚披露宴の費用は全国平均より高め、ということだそうですが、これは単価が高いのではなく、人数によるものだと思われます。
熊本県の結婚披露宴には友人知人(多い人はとても多い)の他、親戚の人数が多いことがよくありますので、総費用が平均値を上げているのでしょう。
ご祝儀について
ご祝儀は全国の一般的な額で問題ありません。ご祝儀の地域性は特にありません。
しかし、都会よりも人間関係が濃い傾向にありますので、熊本県に在住する場合は結婚式に呼ばれる回数も増えるかもしれません。
社会的地位のある人、役職に就いた人、交友関係の広い人はお金がかかるかもしれません。
引き出物の内容や数について
引き出物については全国的な内容とさほど変わらないと思いますが、鯛のかまぼこがついていることが昭和の頃にはよくあったと記憶しています。
最近は特に地域性はなく、各夫婦がじっくり選んだ食器や菓子などが入っている場合が多いです。形の残るもの+お菓子など2点の組み合わせも多いパターンです。
二次会について
熊本県、特に市街部の飲み会は深夜まで及ぶことが多く、結婚披露宴の二次会も長時間に及ぶことが多いでしょう。
二次会、三次会、とお店を変えて最後は明け方まで、という場合もよくあります。熊本県の男性は、全国的な噂にたがわず、飲酒を好む傾向にあります。
結婚式後の風習について
結婚後初のお正月に新郎が新婦の実家に活きのいい鰤を贈る 嫁ぶりという習慣があります。
これはいい奥さんをありがとうございました、ほんとにいい「嫁ぶり」を発揮してます、という思いをこめて贈られる風習で、九州北部や岡山県でも見られるそうです。
その他、地域独特の儀式やしきたり
熊本県は都会に比べて人間関係が濃い地域で、飲み会が好きな人が多いため、結婚披露宴も人数が多い人はとことん多く、二次会が深夜まで及ぶ、ということもよくあります。
人懐っこくて人情味に厚い熊本の県民性は「飲み」の席でよく表れるといえます。