- 2015年04月22日
- 九州地方の結婚式事情
結納の儀について
佐賀県を含む九州地方では結納品のことを結納茶と呼びます。
これは、結納品にお茶(正式には「御知家」と書きます)をつけることから言われていて、結婚を何度も重ねない、娘が実家を出るのは一度だけ、との意味合いから「一度しか出ない」番茶が使われます。
また、有明地方など沿岸部では、ブリを結納品と一緒に持参する習わしもあります。
結婚式披露宴について
佐賀県の伊万里地方では、新郎新婦が入場する際に、仲人さんが新婦の頭の上に釜の蓋をかかげて、おめでたい唱えごとを繰り返し言いながら杓子で3回蓋を叩く「釜蓋かぶせ」という風習があります。また、ステージでは昔ながらの舞やお祝いの詩吟が披露されることもあります。
結婚式披露宴に招待するゲストや、人数は?
地方にもよりますが、古くから地域のつながりを重視する風習があるため、職場や友人、親戚のほかに近所の方をゲストに招くことが多いです。そのため、必然的に大人数になり、招待客が100名を超える式も少なくありません。
結婚式披露宴の費用について
以前は昔ながらの伝統的な奥ゆかしい神前式が多く行われていましたが、最近は教会のあるゲストハウスを貸し切ったりするケースが多く見られ、結婚式の費用も大幅に増えています。昨年、友達が結婚式をした際は、約170万円ほどだったと言っていました。ゲストの料理にもこだわるカップルが多く、地元のブランド牛や海産物を使ったフルコースが人気です。
ご祝儀について
佐賀県でも地域によって変わると思いますが、夫婦で招待される場合、だいたい7~10万円ほどが相場です。私が幼い頃から仲の良かった友達の結婚式に出席したときは、1人ですが5万円包みました。また、結婚式ではなく、近所の方を招待する「お茶講」という小宴では、男性1万円、女性5千円ほどを包むことが多いです。
引き出物の内容や数について
佐賀県には有田や伊万里、唐津など古くから焼き物で栄えてきた地域があります。そのため地元ならではのオリジナルの陶器を引き出物に使ったり、伝統工芸品の肥前びーどろのグラスなども人気です。また、佐賀県を代表する銘菓の一つ「マルボーロ」もよく引き出物に入っています。海のある地域なので、海産物をチョイスする方も多いです。
お世話になっている方に厚くおもてなしする気持ちが強いので、引き出物の品数も多いと言われています。
二次会について
披露宴となる会場が駅周辺に多く、交通の便が良いので、二次会の会場に困ることはありません。たいていの場合は、パーティースペースを貸し切って、ビンゴ大会で景品を当てたり、カラオケで盛り上げるということが多いです。
その他、地域独特の儀式やしきたり
佐賀県の一部地域では「お茶講(おちゃご)」といって式の後に近所の人を招いて小宴を設けることがあります。最近は近所の方を披露宴に招くことでお茶講を省略する場合も多いですが、地域のつながりや近所付き合いを大切にする風習が表れています。
結婚式自体よりも結婚するまでの儀式に重きを置くことが多いと思います。結納品も他の地方と比べて多いですし、披露宴では親戚で盃を回し飲みするなど、血縁の深さを感じる場面も多いです。また、佐賀県に限らず九州地方に言えることかもしれませんが、お祝いの詩吟を披露するなど古風なしきたりも残っています。