- 2015年04月10日
- ヨーロッパの結婚式事情
結納の儀について
日本と違い、フランスにおいて一般的に結納の儀式はありません。仲人という立場もありません。
ただ、移民の多い国なので、配偶者のバックグラウンドによっては、伝統にのっとった儀式を行うご家族もあるかもしれません。
結婚式披露宴について
まず各市町村の役所において、市長の読み上げる婚姻契約に新郎新婦が誓約する『結婚式』があり、それで結婚が公式に成立します。
(この後、教会などで宗教的な式を挙げるカップルもあります。)その後大型会場に移動してのパーティーとなりますが、これが日本の披露宴にあたるでしょう。
一般的にはただ飲み物と軽食をふるまって、司会もなしに延々数時間~半日以上話続ける場となります。その後にレストランで親族・家族だけでの食事会形式をとることもあります。
結婚式披露宴に招待するゲストや、人数は?
これは本当に様々です。家族や親族は当たり前ですが、小さな共同体(村など)で開催すると、村民全員がやってきてお祭り状態に発展し、何百人単位に膨れ上がることもあります。その意味で行くと、都市部で結婚する人々の方がコンパクトに何十人単位で済むかもしれません。
結婚式にかかる費用について
式は自治体の業務なので、殆どお金はかかりません。日本のようなブライダル・コンサルタントという市場が活発でないのは、色々なコーディネイトを自力で行う人々が大多数であるからだと思われます。
パーティー(披露宴)も、公立の会場(学校ホールなど)を利用したり、ケータリング業者に頼り切らずにアルコールなどの飲み物を自力で手配したりすると、だいぶ節約することができます。
元々フランス人は節約が大好きな人々なので、日本のように「せっかくだから奮発して」という風潮はあまりありません。3000ユーロもあれば十分だと思われます。
ご祝儀について
実は、ご祝儀は日本ほど絶対的ではありません。昔は結婚式の招待状とともに、新郎新婦が「欲しいもののリスト」を作って配布、つまりは「●を下さい」とリクエストするのが伝統的でした。
現在では小切手に自分の志で値段を書きいれ(10ユーロ~)会場で渡すのが一般的です。
引き出物の内容や数について
日本ほどの贈答文化がないので、贈り物はほとんどありません。新郎新婦も招待客も、手ぶらに近いような場合がほとんどです。
「ありがとう」など感謝メッセージの入った、小さな花束やお菓子の小箱がお土産ていどにありますと、喜ばれます。
二次会について
親戚や家族、ごく近い友人などでの食事会をレストランで行うことがあります。貸し切り状態になるので、ここで費用がかさむかどうかの分かれ道となります。
ただここでも、ひたすら食べて飲んで・話をして、という流れなので、日本のように余興などは皆無です。
おおらかですが、時間に際限がありません。会場がそのまま即興ディスコと化し、夜を踊り明かすこともしばしばです。
結婚式後の風習について
風習というより必然なのですが、公共会場などを借りた場合、疲れ果てていても、新郎新婦は会場の掃除と後片付けに取り掛からなければいけません。
こういったシビアな現実が控えているため、式の直後にハネムーンに出発するカップルは少ないようです。
その他、地域独特の儀式やしきたり
二次会が私設ディスコ化することは前述しましたが、新郎新婦はその先陣を切らなければいけないといわれています。
つまり一番最初に皆の前で二人で踊り、そこから周囲が続いていきます。
曲目はクラシックでもモダンでも何でも良いそうですが、このために前もって練習を余儀なくされるカップルも少なくありません。