- 2015年04月13日
- 東北地方の結婚式事情
結納の儀について
結納の際に結納品と一緒に「貰受状」という印刷物を渡すのが特徴。
これは男性側が女性側に対して「嫁にもらいます」という意思を示すためのもので、宮城の結納では伝統的に行われている江戸時代の武家で行われていた風習が今に引き継がれています。
貰受状を受け取った女性側はその返答として「嫁にやります」という意思を示した「進参状」を男性側に渡します。
結納品のほかに角樽を贈る風習もあり、結納を「ナイザケ」と呼ぶ地方もあります。結納の義の時に指輪を交換する風習もありますが、これは近年になってくわえられた風習です。
結婚式披露宴について
和の文化を尊重する宮城県では、披露宴でも和装が人気。白無垢だけではなく色打掛まで衣装替えする新婦も多く、ウェディングドレスと同等かそれ以上に和装が着られています。
披露宴の内容も和の文化が盛り込まれていて、長持ちと提灯に先導されて民謡「宮城長持ち歌」で入場するスタイルが伝統となっています。
結婚式披露宴に招待するゲストや、人数は?
新しい人生の門出を盛大に祝うという意識が強く、招待するゲストの数も多いのが宮城県の披露宴の特徴です。
家と家との結びつきということで親類縁者を大勢招くだけでなく、友人知人も多数招きます。
全国平均よりも3割ほど招待するゲストの数が多く、その分披露宴も大きな会場で行うことになります。
結婚式披露宴の費用について
2010年の調査では宮城県の結婚式費用の平均は314万9753円で、全国で18位の金額です。
全国平均の289万円と比べると、宮城県では約結婚式に平均より1割ほど費用をかけていることになります。
招待する人数も多く、和の演出など費用がかかることも多いのでこの金額になると推測されますが、東北地方の中では4番目に少ない金額です。
盛大な結婚式を好む東北の中では比較的堅実な結婚式が挙げられていることになります。
ご祝儀について
宮城県のご祝儀相場は全国平均と同じくらい、友人の結婚式に出席する場合は3万円包むのが目安です。
ただし、親戚の結婚式に出席する場合は気前よく包むのが宮城の県民性。10万円以上包む人も少なくありません。
結婚式にかかる費用も御主義で賄うことができますが、自分が出席する立場になった時も同じくらい包まなくては失礼に当たるので、親戚づきあいの中でも結婚式にかかる費用はかなりの割合を占めることになります。
伝統的には会費制はありませんが、近年は一部のレストランウェディング等で会費制のケースもあります。
その他、地域独特の儀式やしきたり
宮城県の一部では、引き出物の定番の品として細工かまぼこが配られます。
これは鯛を模して造られた大型の蒲鉾で、鯛が貴重だった時代の名残で今に続く伝統的な引き出物です。
細工蒲鉾はとても大きいので、もらった人はいくつかに切り分けて近所におすそ分けするのがしきたりです。