- 2015年04月14日
- 中部地方の結婚式事情
結納の儀について
金沢の結納のしきたりに「袂酒」(たもとざけ)という風習があります。
新郎側のご両親が新婦家にお酒(一升)と寿留女を持って伺い、正式に承諾を得る「袂酒」という儀式があります。
昔、承諾を得るまで袂に隠していたことからこのように呼ばれるようになったといわれています。
お酒(一升)にはこれから一生お世話になります。寿留女には長く家に留まるという意味が込められています。
新婦側が承諾をしたら、寿留女を軽くあぶり冷酒でいただく風習があります。
結婚式披露宴について
「花嫁のれん」結婚式の当日の朝に嫁ぎ先の仏壇にお参りする際に入り口に暖簾をかけてくぐる風習のことです。加賀友禅で染められていて鶴亀、鳳凰、御所車、鴛などおめでたい絵柄が描かれています。
親御さんの思いが込められた花嫁暖簾はとても美しいです。
最近では、披露宴の入場の演出としても使われることがあります。
結婚式披露宴に招待するゲストや、人数は?
親族や友人の数にもよりますが、平均披露宴では60人前後が平均になっています。
昔は両家の人数を合わせなければいけないような様子でしたが、現在はそこまでこだわるからも少なくなり、新婦側が家族のみで他新郎側多数という事もあります。
結婚披露宴の費用について
60人くらいで200万くらいと式場の予算は書かれていますが、実際は300万以上かかることが多いようです。食事のランクにもよりますし、演出などやりたいことを増やすと増える傾向にあります。
また、引き出物の金額によっても違いが出てくるようですが、昔に比べて引き出物の品数は減っていますが、会場費など、ほかの面で値段が上がっているようです。
ご祝儀について
平均3万円です。祝儀については全国的な平均と変わらないと思いますが、最近では、会費制という事で、ご祝儀はご遠慮くださいという披露宴も行われたりもあります。
会費制ではない場合は平均3万円のご祝儀が一般的です。
引き出物の内容や数について
金沢特有の引き出物に「五色生菓子」(ごしきなまがし)があります。
日、月、海、山、里を表した生菓子です。
白い麦饅頭は「月」
一部を赤く染めた饅頭「太陽」
くちなしの色で黄色く染めた米粒が付いた饅頭「山」
波の形の大福「海」
丸い形の蒸し羊羹「里」
この5種類の饅頭と大きな鶴亀の形をした餡子菓子とセットで引き出物に付けていました。
現在は少なくなりました。
二次会について
二次会パーティーは友人たちが幹事を行いカフェやレストランなどで行うことが多いです。
金沢市の繁華街の片町のお店を貸切で行うことが多く、会費は5000円~が多くブュッフェスタイルのフリードリンクの形式をとっています。
結婚後の風習
結婚式後にはしなければいけない風習などはないのですが、一般的には結婚式後はお祝いを頂いたご親戚や上司、友人などに内祝いや新婚旅行のお土産などを持ってごあいさつに伺います。
お祝いを頂いた方のところにも内祝いを持ってお礼に伺います。
その他、地域独特の儀式やしきたり
水合わせの儀式・・・新郎宅に仏壇参りに行ったときに玄関で新婦宅のお水と新郎宅のお水を合わせながら盃に入れて花嫁が一口飲んだ後に盃を地面にたたきつけて割ります。
これは花嫁が出ていくことがないようにというおまじないの意味も込められています。