- 2018年12月20日
- 中部地方の結婚式事情
富山流の結婚風習
私は大学生のころに富山に住んでいて、研究室の先輩が学生結婚をしたのを覚えています。
そんな結婚の際に、色々聞いた富山県の風習を今回は書き記していこうかと思います。
富山県高岡市よりも、氷見市、新湊市の方が盛大な結婚式を挙げていて、同じ富山県でも地域によってしきたりなどが異なるそうです。
嫁入り道具
まずは嫁入り道具がものすごくお金がかかるとぼやいていました。
布団や掃除機、洗濯機などの家具一式は嫁入り道具で嫁側が用意するのが当たり前と言われているそうです。
ちなみに家は婿側が用意するのが通例だそうです。
その先輩は女性だったので、まずは家具一式を集めるのがめんどくさく、なによりもその方の祖母が考え方が古い昔の人間だったので、何度もダメだしを受けて、正直煩わしかったのだとか。
鯛のかまぼこは縁起物
結婚する前からこの様な感じで、様々な用意するものがあるのですが、結婚式当日も大変です。
例えば引き出物なのですが、鯛をメデタイとかけて付けることがあるそうです。
ちなみにこの鯛は、大きければ大きいほど縁起物で良いらしいのです。
また鯛が用意できない場合でも細工カマボコの鯛に亀や鶴などの縁起がよいとされる生き物などを用意する事があるそうです。
私は先輩の結婚式でそこそこ大きな鯛のカマボコを頂きました。
鯛のかまぼこは幸せのおすそ分け
鯛のかまぼこは、ただ貰うだけでは終わらないのが富山流
このカマボコを頂いた家では、これを切り分けて友人や近所の人などにおすそ分けして回ると言う風習があります。
これは確か幸せをお福わけと称して周りにばら撒きます。
鯛の身体のどの部分を貰ったかで相手方との距離が分かる
このばら撒きは面白い特徴があります。
頭部・腹部・尾部に切り分けるのです。
何故かと言うとこのかまぼこの腹部にはより一層の福があるとされて、おすそ分けをする時は可能な限り、腹部を送るのが良いとされているそうです。
鯛の腹部の部分は、近しい人へ配られ、鯛の尾部になればなるほど遠い付き合いの人へ送られます。
鯛のかまぼこを受け取ったご近所さんは、その鯛の身体のどの部分をいただいたかによって、相手方との距離が分かるとされていました。
近年では、大きな鯛かまぼこは見かけなくなりましたが、小さな1人用の鯛のかまぼこをプチギフトや引き出物に入れて配られる方は今もおられるそうです。
このカマボコは本当に美味しいので、個人的には何処を食べても美味しく楽しめます。
富山はカマボコの製造が盛んな地域でもありますので、このような風習が生まれたのでしょうね。
籠盛りという風習も
また、籠盛りといって、籠に鯛のかまぼこやお菓子などが綺麗に盛られたものが結婚式当日に、結婚式に出席する親族や友人の自宅へ届けられ、しばらくは仏壇へお供え物として飾られていました。
とはいっても昔の話で、近年では、籠盛りを送っている人も少ないようです。
引き出物
北陸では、結婚式の費用も全国平均よりも高く、北陸の富山県では、引き出物の数が5個~8個と他県と比べて多いのが特徴です。
結婚後にも様々な風習がある
と、ここまで書いても結構独特な風習だと思いますが、結婚後にも様々な風習があるのが富山流です。
新婚旅行から帰ってきた後くらいまでを目安に、親戚やご近所さん、会社などの上司などへのあいさつ周りや報告周りがあります。
春祭りや秋祭りなどでもご祝儀をはずまないといけないのも伝統だそうです。
流石にいくら包むかまでは聞けませんでしたが、結構包んだよと苦笑いしていました。
そしてよく富山にいた時にニュースでも話題になってくるのが氷見の寒ブリを年末に贈る風習。
富山県ではこの脂の乗った寒ブリを送る事が最高のおもてなしでもあり、お歳暮でもあり、文化として根付いています。
ちなみにこの寒ブリは、通常3-4万ほどの値がつけられ、高いものや不漁の際は10万前後の値が付く事もあるのだとか。
いかがでしたか。これが富山流の結婚の風習です。
このように、地域によって、さまざまな伝統やしきたりに基づいた結婚式が行われています。
あなたの住んでいる地域はどうですか?珍しい特色などありましたら、是非ココサブに教えてください。